韓国「スタディカフェ」が直面する、無料公共スペースの脅威

韓国「スタディカフェ」が直面する、無料公共スペースの脅威 勉強法

こんにちは、勉強カフェ代表の山村です。

「カフェだと周りの目が気になって集中できない」「でも静かすぎる図書館はちょっと苦手……」

勉強や作業の場所選びって、大人になっても永遠の課題ですよね。

実は今、お隣の韓国で「大人の勉強空間」をめぐる面白い変化が起きています。日本で「勉強カフェ」を運営する立場としても、非常に興味深く、学びの多いトレンドです。

今回は、爆発的に成長した韓国の「スタディカフェ」事情と、いま現地で起きている新しい潮流についてお話ししたいと思います。

▼このブログはこちらのポッドキャスト内容を再編したものです。ぜひ合わせてお聞きください!

10年で店舗数が62倍に!韓国で「スタディカフェ」が爆発ヒットした理由

韓国のスタディカフェ市場の成長スピードは、まさに異次元です。2015年には全国にわずか112店舗しかなかったものが、2024年末にはなんと約7,000店舗にまで急増しました。たった10年ほどで約62倍です。

街の主要な駅前はもちろん、住宅街のマンション周辺に行けば確実に目に入るほど、今や生活インフラとして定着しています。

なぜ、これほどまでに一気に広がったのでしょうか?

一番の理由は、従来の「暗くて狭い自習室(独書室)」から、開放的でお洒落なインテリアを楽しめる「進化系空間」へとトレンドがガラリと変わったことです。フリードリンクを飲みながら自分のペースで過ごせるスタイルが、人々の心を掴みました。

さらに、キオスク(自動券売機)や専用アプリによる24時間無人管理システムが普及したことも、急速な店舗拡大を後押ししました。

面白いのはその利用層です。利用層の大半は受験生!過酷な受験文化の中で「学校、そして塾の後に、さらにスタディカフェで夜遅くまで勉強をする」というスタイルが、すっかり定番化しています。

「カフェ代がバカにならない…」物価高の中で台頭する“第3の選択肢”

しかし、ここで新たな課題が生まれます。

街中にスタディカフェや民間カフェが増えた一方で、歴史的な物価高の影響により、ドリンク代や利用料が利用者の財布をじわじわと圧迫し始めたのです。

そこで今、若者を中心に熱い視線を浴びているのが、自治体などが運営する「公共の無料・格安ワークスペース」です。

「公共の施設って、古い学習室みたいな感じでしょう?」と思った方、イメージをガラリと変える必要があります。

最近ソウル市内に登場している公共スペースは、洗練されたデザイン家具にコンセント、高速Wi-Fi、さらにはデザインや建築の専門書まで完備された、まるで高級ホテルのラウンジのような空間ばかりなんです。

「ただ席を貸すだけ」では生き残れない。激化する生き残りレース

この「無料でお洒落な公共スペース」の登場は、民間のスタディカフェ業界に大きなインパクトを与えています。

ポケットマネーの限られた学生層が公共スペースへ流れてしまったことで、学生頼みだった小規模なスタディカフェは厳しい経営を迫られるようになりました。1時間800ウォン(約90円)といった過酷な価格破壊競争も起きています。

しかし、民間側もただ手をこまねいているわけではありません。

大手の民間スタディカフェは今、「公共には真似できない有料ならではの体験」へと舵を切り始めています。

ターゲットを子どもから「しっかりお金を払える大人の社会人や資格受験生」へシフトし、単に静かに勉強するだけでなく、オンライン会議ができる個室や動画撮影スタジオ、さらにはリラックスできる仮眠室などを備えた「大人のための複合文化空間」へと進化を遂げているのです。

おわりに:「居心地の良いサードプレイス」を求めて

「ただ場所とWi-Fiを提供するだけの空間」は淘汰され、「無料の公共空間」か「付加価値の高い大人の空間」へと二極化していく――。韓国で起きているこの現象は、これからの日本の学びの環境にとっても、とても示唆に富んでいます。

私たちが運営する「勉強カフェ」も、単に自習をする場所ではなく、大人たちが目標に向かって心地よく努力でき、時には仲間と刺激し合えるサードプレイスでありたいと、改めて強く感じました。

国が変わっても、「集中できる自分だけのサードプレイスが欲しい」という想いは共通ですね。

皆さんは普段、どんな場所で勉強や作業をしていますか?

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