こんにちは、勉強継続コーチ・英語コーチの上村綾子です。
「ずっと目指していた目標を達成したのに、なぜか次のステップに進む気力がまったく湧かない」
そんな経験はありませんか。
▼このブログはこちらのポッドキャスト内容を再編したものです。ぜひ合わせてお聞きください!
実はここ最近、私自身が趣味のテニスで強烈な「バーンアウト(燃え尽き症候群)」を経験しました。
今年の目標は、草トーナメントの中級クラスで優勝すること。そのために練習量を増やし、工夫を重ね、ペアと何度も話し合い、日々の生活の優先順位でもテニスを優先するように調整してきました。そして努力が実を結び、念願の優勝を果たすことができたのです。
普通なら「ここからもっと楽しくなるはず」と思いますよね。ところが、試練はその直後にやってきました。
夏の暑さや体調不良が重なり、思うようなプレーができなくなって練習試合でも負けが続いたのです。すると私の心の中は、あっという間に暗い思考で埋め尽くされてしまいました。
「私って、こんなに下手だったっけ」 「もうこれ以上は伸びないんじゃないか」 「いっそのこと、テニスなんて辞めたほうがいいのでは……」
さらに追い打ちをかけるように、仕事でも同じ現象が起きていました。今年の目標数値を達成した直後、ガクッと数字が落ちた時期があったのです。その途端、「自分のサービスには価値がないのでは」「この仕事に向いていないのでは」と、一気にメンタルが落ち込んでしまいました。
向上心を持って打ち込んできたテニスも仕事も、同時に立ち行かなくなってしまったのです。
バーンアウトは「頑張り続けた人」にしか起こらない
この経験を振り返ったとき、ふと気づきました。「これって、資格試験や各種学習に励むみなさんにも、まったく同じことが起きているのではないか」と。
数ヶ月間、プライベートの時間を削って必死に勉強し、念願の難関資格や昇進試験に合格する。努力が報われた素晴らしい瞬間です。
ところが、いざ次のレベルの勉強を始めると、難易度が上がっているため思うように理解が進まない。問題集を開いても間違えてばかり。「前はあんなに調子が良かったのに、もう自分はダメかもしれない」と自信を失い、机に向かうことすら嫌になってしまう――。
真面目で、責任感が強く、完璧主義で、高い目標を掲げられる人ほど、この罠に陥りやすいのです。
まず知っていただきたいのは、燃え尽きてしまったからといって、あなたが決して弱いわけではないということです。むしろ、限界まで全力で走り続けた素晴らしい証拠でもあります。
では、努力家な私たちがバーンアウトを乗り越え、息長く学び続けるにはどうすればいいのでしょうか。私の痛い失敗から学んだ3つのポイントをお伝えします。
1. 成果には「波」があることを前提にする(考え方)
バーンアウトは「目標を達成した瞬間」に糸が切れて起きると思われがちですが、実は違います。本当に危ないのは、達成した次のタイミングで、少し調子やペースが落ちたときです。
なぜなら、私たちは無意識のうちに「一番調子が良かった過去の自分」を基準にしてしまうからです。
優勝する前なら「昨日より少し上達した自分」に喜べたのに、優勝した後は「優勝した瞬間の完璧な自分」が当たり前になります。仕事でも、最高記録を出した瞬間がベースラインになってしまう。すると、本来なら素晴らしい「95点」の成果を出していても、「前よりできない自分」を責めてしまうのです。
成長の軌跡は、まっすぐ右肩上がりの直線ではありません。株価チャートのように、上下に激しく揺れ動きながら、長い時間をかけて少しずつ上がっていくものです。
「良いときの次には、必ず落ち込む波が来る」
そうあらかじめ心づもりをしておくだけで、調子が落ちたときに自分を責めずに済みます。
2. 結果が出たときほど「謙虚」でいる(姿勢)
「目標を達成したから、自分はこのレベルに到達した」 そう感じた瞬間、私たちの心には知らず知らずのうちにプライドが芽生えます。
自分を高く見積もってしまうからこそ、少しつまずいただけで「こんなはずじゃない!」と強いショックを受けてしまうのです。
長く第一線で活躍し続けている人たちは、驚くほど謙虚です。たとえばメジャーリーガーの大谷翔平選手は、MVPを獲得しても「まだまだ課題がある」と語り、オフシーズンにはフォームやトレーニングを根本から見直します。「自分はもう完成した」と満足せず、いつでも初心者のような姿勢で学び続けています。
結果が出たときほど、「これはひとつの通過点に過ぎない。またゼロから学ぼう」と初心に戻ること。謙虚さを持つことは、自分のプライドを守り、バーンアウトの衝撃から心を守るための強力な防具になります。
3. 「回復」をあらかじめ予定に組み込む(行動)
振り返ってみると、私は目標を達成するまで、ずっとアクセルをベタ踏みし続けていました。空いた時間があればテニスのことを考え、仕事でも「もっと成長したい」と走り詰めの毎日。
しかし、人間は機械ではありません。
筋肉は、ハードな筋トレ中ではなく「休んでいる間」に修復されて強くなります。脳も同じで、休息や良質な睡眠をとっている最中に学んだ知識を整理し、記憶として定着させています。つまり、休むこと自体がトレーニングの不可欠な一部なのです。
「今日は何もしない日」 「あえてテキストを一切開かない日」
こうした時間は、決してサボりではありません。次にまた質の高い努力をするための、前向きな「回復戦略」です。息切れしてしまう前に、手帳のスケジュールに「休み」を先回りして書き込んでおきましょう。
バーンアウトを防ぐための3つの処方箋をまとめます。
- 考え方:成果には必ず波があると知り、不調を予測しておく
- 姿勢:結果が出たときほど謙虚になり、初心に戻る
- 行動:頑張り続けるのではなく、回復を予定に組み込む
もし今、「なんだか気力が湧かない」「前のように頑張れない」と感じているなら、それはあなたの心が「よくここまで頑張ったね。少し休もう」とサインを出しているのかもしれません。
ぜひ一度テキストを閉じて、深呼吸してみてくださいね。
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