勉強を「あえて少し残して切り上げる」

勉強法

「どこで勉強切り上げるべきか」
これは意外と難しい判断です。

私たちはついつい、「この章を終わらせたら終わりにしよう」「単語をあと5個やってちょうど100個になったら今日は終わりにしよう」といったように、切りが良いところまでやりたいと考えがちです。しかし、実はその「切りが良いところ」を目指す習慣こそが、翌日の勉強のスタートを難しくしているかもしれません。

この「切りが悪いと気持ち悪い」という感覚は、実は人間の心理としてごく自然なものです。そして、この感覚を逆手にとって、翌日の勉強をスムーズに始めるための「切り上げ方」をご紹介したいと思います。

▼このブログはこちらのポッドキャスト内容を再編したものです。ぜひ合わせてお聞きください!

テレビ番組の巧妙なテクニックから学ぼう

なぜ私たちは、途中や中途半端な状態で終わることを嫌うのでしょうか。この心理をうまく利用しているのが、身近なテレビ番組です。

クイズ番組やバラエティ番組を見ていると、ちょうど答えが分かるときや、一番盛り上がるところで「続きはCMの後で」と中断が入ることがあります。ドラマでも「続きは来週」となることで、視聴者は次の展開が気になり、来週も見ようという気持ちになりますよね。

テレビ局がこのような番組構成にするのは、視聴者の「途中で終わると気持ち悪い」という心理を逆手に取り、敢えて切りの悪いタイミングでCMを挟むことによって「CMを我慢してでも結果が見たい」という視聴者の興味を引きつけ続けるためなのです。

「気持ち悪さ」を翌日のスタートダッシュに変える

この心理効果は、心理学では**サイガニック効果(Zeigarnik Effect)**として知られています。

サイガニック効果とは、人間は達成できた完了した事柄よりも、達成できていない中断された途中の事柄の方をよく覚えているというものです。つまり、何らかの欲求が完全に満たされていない場合、その事柄に対する緊張感が持続しやすくなるのです。

この効果を勉強に応用するのが、「あえて少し残して切り上げる」という技です。

勉強で最も難しいのは、実は始めるその瞬間です。もし前日、切りが良いところで終えてしまうと、翌日は「よしまっさらな状態から勉強を始めるぞ」という大きなエネルギーが必要になります。

しかし、前日にあえて少しだけ残して切り上げることで、状況は一変します。

例えば、100問ある問題集を95問でストップしたとしましょう。翌日勉強を始めるとき、頭の中には「あの残りの5問を早く片付けたい」「昨日のモヤモヤを早く解消したい」という、未完了のタスクに対する緊張感が残っています。この「気持ち悪さ」を利用して、翌日は「まずあの5問を片付けよう」という小さな一歩からスタートできるのです。

これにより、「勉強するぞ」と意気込むために必要なエネルギーの消費量を下げることができます。そして、たった5問でも一度机に向かって始めれば、そのまま次の勉強に進んでいけるはずです。

継続こそ力なり、そして自分を責めない

「残すこと=悪」だと考えていた方もいるかもしれません。しかし、この考え方を取り入れることで、「時間でスパッと切る」ことが可能になり、仕事や生活とのバランス(ワークライフバランス)も取りやすくなります。

完璧主義の傾向がある方こそ、「今日はここまで終わらせられないかもしれない」と感じた瞬間に、最初から勉強を諦めてしまうことがあります。そうではなく、「行けるところまでやって、途中で切って良い」と思えれば、始めることのハードルそのものを下げることができます。

毎日ちょっとずつでも勉強を続ける(継続する)ことのほうが、一度に完璧に終わらせるよりも、結果的に大きな力となります。

まずはぜひ、お試しください。昨日の「少し残した宿題」が、きっと明日のあなたの勉強を後押ししてくれるはずです。

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